リース・ダート トラック 4泊5日の旅 ‐其の壱‐

カスケード・サドルより望む、ダート氷河


クイーンズタウン近郊にはいくつかオーバーナイトハイクが出来るトラックがあるが、その中でも私のお気に入りの一つがリース・ダートトラックである。

草原、森林、山脈、氷河等様々な表情を見せてくれ、壮大なニュージーランドの自然の様々な面を体感できる。
グレートウォークスと比較すると認知度は低いが、その分人で込み合っていないというのも私がここを好きな理由の一つである。

私が歩いたのは2年前と3年前である。その後トラックの一部が破損したりと何かと変化もあったようだ。もし歩く際にはDoCのホームページに目を通しておく必要があるだろう。


トラック自体は3泊4日で余裕もって歩ききれるが、1日余分にとりカスケード・サドルまで足を延ばし計5日にするのがよくとられるコースである。かくいう私も5日間の旅を楽しんだ。


ループトラックではない為、交通手段はバスを手配する、友人と車2台用意する、ヒッチハイクする、といったところであろうか。
道が舗装されておらず、雨の後は特に水が氾濫していることもある為、普通車では中々厳しいところもあるだろう。
私は2回ともバスを予約した。

バス会社は
・info & track
・Glenorchy journeys
・Buckley
Track Transport

の3社がメジャーどころである。

満席であったり、逆に人数が少なすぎ運行しないということもある為、電話で事前に確認し確実に運行している会社を予約する必要がある。

-1日目-
Muddy Creek Car Park~ Shelter Rock Hut
19km, 6~8時間

き始めてすぐの光景。朝日が山々に反射し、爽やかなスタートであった。


トラックはどちら周りに歩くかは個人の自由である。
私はリース・トラックから、つまりMuddy Creek から歩くルートを選択した。

早朝はひんやりとして涼しいが日が昇るにつれ紫外線の強さを実感する。それも暫くは牧場内をひたすら歩いている為だ。それに加えてMuddy Creekの名にふさわしく、所々にぬかるみがあり靴が泥まみれになる。



途中からは森の中に入っていく。
駐車場から4,5時間程歩いただろうか。森の中にあるつり橋を渡った。
ここから先は国立公園であり、牧場ではなく自然の風景のみである。



ブナ林を歩きつつ、徐々に標高を上げてゆく。
ずっと開けた牧場内を歩き続けていただけに、ひんやりとした木陰の道が心地よい。

森を抜けると、タソックの草原、枯れた川などを超えて進んでゆくことになる。
春先から初夏にかけてはここも雪解け水で大きな川となっているのであろう。

山小屋を見つけた瞬間というのはどうもいつもほっとする。

歩き続け、ついにShelter Rock Hutを見つけた。
この日は管理人には会わなかったが、台帳に自分の名を記し、ベッドを確保する。

初めてここに来た時、私より先についた年配の男性が温かいお茶と甘いものをくれたのを思い出す。
当時私は一人で歩いていて英語も片言しか話せなかった為、その小さなやさしさが身に染みたものだ。

‐2日目‐
Shelter Rock Hut ~ Dart Hut
10km, 4~6時間

歩き出し、ハットを出てすぐの風景


2日目はこの旅のハイライトの一つ、リース・サドル越えがある。
行程も短い為ゆったりと珈琲でも飲み、ハットを出発した。天気も良いので気分も上々である。

リース川を遡りサドルを目指す道である。ゆるゆると歩き進み、所々で小休憩をとる。
川の源流でのんびりと新鮮な水を堪能するのは、極上の贅沢である。

非常に分かり辛いのだが、雲に不思議な7色の光が反射している。
このようなものは見たことがなく、何なのか謎である。とりあえず奇麗なのでつい写真に収めてしまう。


DoCの目印を頼りにどんどん進んでゆく。
サドル手前では急勾配があり、かなり息が上がったが、サドルからの景色はそれに十分値する。

下から見ると分かり辛いのであるが中々の急斜面である。
オレンジポールが見つかり辛く、やや時間がかかった。





斜面の途中で見つけた季節が終わり掛けの花。
このような過酷な環境で可憐に咲く姿に励まされる。


そして、サドルに到着した。
標高1471m、Rees-Saddleである。

Snowy Creekを望む
反対側の風景



ここで昼食をとる。林檎やミューズリーバーのような簡単なものであるが壮大な風景を眺めながらだととても美味しく感じる。
塩むすびでもあれば完璧であろうなぁと思ってしまうのはやはり日本人である。


サドルから先はこの開けた斜面を渓谷に沿って下ってゆく。
暫くすると橋があるので渡る。


この橋は冬場は破損防止のため撤去されている。
川の状態により夏の設置時期は年により異なる為、事前に確認するとよいだろう。

この川を横切るというのはスキルを要するであろうし、水に浸る覚悟もいる。



その後も山肌に沿って上り下りを繰り返しつつ、標高を下げていったところでこの日の宿、Dart Hutが見えてきた。



中は木造りのモダンな造りである。先についた人々が珈琲を飲んでいたり川で水浴びをしている様子が伺える。
この小屋は32ベッドあり、3つの山小屋のなかでも1番の大きさを誇る。

カスケード・サドルを見ざす人は連泊するし、ワカナ方面から抜けてきた人もここで滞在することが多い為であると思う。かくいう私もここに2泊の予定である。

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