アーンスロー・バーンで1日ハイク

雲一つなく晴れた空と壮大な山々



アーンスロー・バーン(Earnslaw Burn)はグレノーキーにあるウォーキングトラックであり、地元の人にはなかなか人気である。
私の歩きたいリストにずっと上がっており、この秋、ようやく登ることができた。

テントを担いでいき、1泊2日するのが人気らしいのだが、我々は日程と荷物の関係で日帰りで行ってきた。



森林限界までは往復22㎞、片道4~6時間とこのと(Docによると)。
ならばどんなに時間がかかっても12時間だねと冗談を言っていた。

Advanced(上級者向け)コースであるとこのと、張り切って街のDoCで地図を買い、ピプ君は杖を登山用品店でレンタルする。
今回は他に友人3人も一緒で賑やかな山登りである。


地図からも分かる通り、グレノーキーよりパラダイスに向かう道の途中に位置する。
以前紹介したリーストラックとダートトラックにちょうど挟まれているような感じだ。
リース・ダート トラック 4泊5日の旅 ‐其の壱‐
リース・ダート トラック 4泊5日の旅 ‐其の弐‐





我々は日帰りの上、初秋で日が短い為朝の5時に家を出た。まだ日の出前で星が奇麗だ。

アーンスロー・バーンへ行くにはダイヤモンド・レイクの手前でLovers Leap Roadへと曲がるのだが、この道、何の印もない為非常に見つけにくい。
地図を頼りに曲がり、何とか駐車場についた。





駐車場。もう夜が明けかけている。
すでに何台か車が停まっており、山でテント泊している人らのだろうと推察する。



いよいよ登山開始である。印などが見当たらないため、人が歩いた跡と地図を頼りに山の方へ歩いてく。


ようやくDocのオレンジ矢印を見つけた。
そばには看板もあり、正しい道であることが分かる。



ここからはひたすらに山の中を登っていく。地図からも分かる通りこのトラックは川沿いに進む道である。
初めのうちは牧場地帯で羊たちを眺めつつ体を慣らしていく。

暫くして開けた場所に出た。


この日は快晴で森の中を歩くには気持ちがよい日だ。
早々にジャケットを脱ぎ歩き進めていく。
所々泥で道がぬかるんでいるのが罠のようで油断はできない。

所々休憩もはさみつつ。
山で飲むコーヒーがとても美味しい。
ガスクッカーを運んでよかったと思う瞬間。

このトラックは上級者向けとなっており、確かに倒木を超えたり小川を横切ったりする場面もあるし急勾配もあるが、DoCがしっかりとオレンジマークを付けてくれているおかげでルートファインディングは比較的簡単である印象だ。

この斜面を歩くのは確かに少しひやりとした。
雨が降って地盤が緩かったり滑りやすかったしたらかなり危険な箇所となりうる。



今回、友人の一人が山登りにはあまり親しみがなかったためゆったりとしたペースで進む。
進むにつれ、土砂崩れの後や倒木も増え、歩くのに時間もかかる。

私個人としては道が野性的になるほどに冒険感が増しわくわくするし、山の美しさや壮大さを感じられる気がする。

ブナの林の中を歩くのは個人的に大好きである。

苔と光とのコントラストを堪能する。

歩き始めてから5時間ほどたったであろうか。ちょうど開けた川に出たので昼食休憩をとる。
この日のメニューは缶詰の豆とトルティーヤである。
豆は缶ごとバーナーで炙るという冒険感満載の料理である。

川の水も冷たくて美味しい



そして休憩地点から1時間経たずで森の出口が見えてきた。





この森林限界を抜ける瞬間というのは何度味わっても特別である。


美しい大きな庭のようだ。



森林の上は美しく開けた庭園のようになっており、透明な小川と壮大な山々が見渡せる。

ここからは楽しい草原歩きである。
所々、誰かが焚火をした痕跡があり、のんびりとするには最高の場所だ。

我々はアーンスロー氷河を見るため、さらに20分程歩き進める。

アーンスロー・グレイシア(氷河)



氷河とそれが溶けてできた滝が見える。
道はまだまだ先に続いていたが、我々は山を降りねばならない。名残惜しいがここで来た道を引き返すこととする。
道中テントを担いだ人々とすれ違った。私も次はここで泊まり、のんびりと過ごしたいと心底思った。

山歩きという帰路というのは単調になりがちであるが、我々の場合は違った。

友人の一人が慣れぬ山歩きで足を痛めてしまったのである。だがここは山、携帯の電波も入らぬためなんとしてでもおりなければならない。

ゆっくりと時間をかけて下ってゆく。

途中より日も沈みヘッドライトを点けて足元を照らしつつ歩く。

皆(特に足を痛めた彼)疲れがピークに達しつつありぼんやりとしていたが、時折ふと眺める星空が鳥肌が立つほどきれいだったり、ライトに照らされた森が昼間と違った表情を見せてくれたりと、普段は見れない光景も拝むことができた。


グロウワーム(土ボタル)の姿も拝むことができた。
満天の星空とグロウワームを同時に眺めるという貴重な体験だ。



駐車場についたときの達成感、安堵感は何とも言い難いものがあった。その時間、なんと午前2時頃。

朝の5時に家を出て、家に着いたのは午前4時頃であった。
自分史上最長の山歩きである。
家でシャワーを浴びてベッドに倒れこんだ時の心地よさは最高であった。


個人的にはアーンスロー・バーンの道はやや野性的な面もあり、冒険感があって好きである。次訪れる機会があれば是非テントに泊まり、のんびりと氷河を眺めて過ごしたいと思う。


トムティットとシルキー・アルパイン・バターカップ

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