クラウン・ピークの存在を知ったのは2年ほど前であったか。つい先延ばしにしていたのだが、なにぶん家の近所からもその姿が見えるため、登らねばなぁという思いが募っていたのだ。
そしてつい先日、遂にその頂に立ってきた。
クラウン・ピークは標高1735m、クイーンズタウン~ワナカ間にあるクラウン・レンジ(山脈)の一部である。
どこから登るかにもよるが、一般に距離にして17.5㎞、1162mの登りであるらしい。おそらく往復8時間程度と考えてよいだろう。
トラック自体は整備されており、歩き易くはある。
今回はアロータウンより登ることにし、地図はタウンのあちらこちらにあるものを参考にした。
今回、往路は
14a
8b
9
12
16a
を歩き、帰路は
16a
13
14b
14a
を選択した。
ここでは区間ごとに紹介していく。
1、駐車場~14a
O’Callaghan Parkにある駐車場を今回は利用した。ここからだと14aに一番近く、時間を短縮できる。
勿論、町の中にある駐車場を利用し、川沿いのトラックを歩いて楽しむのも良いだろう。
駐車場からは,トラックを川の方に下り、右に曲がる。
そうすると、すぐに橋が見えてくる。
14aはtobins track(トビンス・トラック)の一部である為、暫くはトラックのサインに従って進む。
この橋を渡る。
橋を渡ったところ。
tobin’s trackに従って進む。
右手に地図があるので参考になる。
トビンストラック自体もなかなかに良いショートトラックだ。犬の散歩をしている地元人に何人か会った。
2, 8b~9
15分程トビンストラックを歩いただろうか。左手に8bへの分岐点が現れた。
8bの道は何の変哲もない道である。道沿いにブラックベリーが大量に繁殖していたので道中少しつまむ。
8b~9への分岐点。
ここで右手の道を進む。
左へ進むと8aに繋がる。
遠くにクラウン・ピークが見えてきた。写真中央近くの一番高い地点がクラウン・ピークである。目的地が見えるのはなかなかに嬉しいものだ。
なお、右手にある丘は、以前紹介したマウント・ビーサムである。
アロータウンの隠れトラック:
https://iguanas.jp/%e3%82%a2%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%82%a6%e3%83%b3%e3%81%ae%e9%9a%a0%e3%82%8c%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%af
3, 12
そして、ここが9と12の分岐点だ。ひたすらここもまっすぐに進んでいく。
ここでひと休憩する。座ってトウモロコシをかじっていると、トレイルランニング中の女性が通り過ぎていった。
あとは何もない、静かな時間である。
ひたすらに、4WD の道を歩いていく。
目の前に目的のクラウン・ピークが見える。
軽装の青年が私を追い越していった。彼にとっては軽い散歩のようなものであろう。一方、私は張り切ってガスクッカーや珈琲まで持ち込んでいた為、随分な重装備だ。
4, 11b~bracken saddle
11bは短いセクションである。
暫く歩くと分岐点が見えてきた。ここがbracken saddleである。写真中央から左手に登る道が16a、これから登る道だ。
丁度良い頃なのでここで珈琲を沸かし、一休みする。
トウモロコシとネクタリンも齧りつつ、ゆったりとした時を過ごす。
頬に当たるそよ風がひんやりと気持ちよく、空気が秋に移りつつあるのを感じる。
5, 16a~クラウン・ピーク
ここからは、ひたすらに登り道だ。ジグザグの道を歩き、徐々に高度を上げていく。
驚くことに、ここもマウンテンバイクのトラックでもあるという。こんなに急で石もごろごろとしている道をマウンテンバイクで下るのは化け物レベルである。
尚、写真左手に群生しているのはトゥトゥ、可愛らしい実をたくさんならせているが、じつは象をも殺せる猛毒植物であるらしい。間違って口にしないようにしたい。
久々の1日ハイクのため、自身の身体の衰えに気がつく。颯爽と道を駆け下って行くトレイルランナーとすれ違ったのだが、彼の身のこなしの何と軽いことか。
自身と比較し、やや悲しい気持ちになるが、どうしようもないのでのんびりと景色を堪能することに専念する。
山歩きのいいところは、早くも遅くも自身のペースで行けるところだ。ゆっくりでも確実に進んでいることが実感できるのは嬉しい。
そしてついに、この印が見えたときは達成感が湧いてきたものだ。
ワカティプ湖やウォルター・ピークまで見渡せるのは感慨深いものである。
ここでお弁当を頂く。今回は、ピプ君が大量に作っていたパスタだ。鶏肉とアルフレッド・ソースの重ためのパスタなのだが、数時間の歩きの後だと美味しさもさらに増す。
今回、ピプ君は留守のためこの山歩きには参加していない。
後はぼんやりと雲を眺めたり、ふらふらと歩き回ったりと思う存分楽しむ。山頂で飲む珈琲は、たとえインスタントであっても格別である。
なお、下りは少し違う道を行くこととする。
16a は往路と同じなため割愛する。
6, 13
Bracken saddleより13に入ってすぐに、古い竈がある。
ここで休憩を取る。
金鉱時代、人々はここで火を囲んで休憩していたのであろうか。
始めは景色を楽しみつつ谷沿いの道を歩いていたのであるが、途中でDoCのオレンジポールを見失ってしまった。
どうやら、‘この先私有地。配慮して進むこと‘のような看板が現れたときに、その先にオレンジポールがあるのを見たのだが、「私有地はとおらないだろう」と思い込みで別の道を選択してしまったのだ。
私が見ていた地図も古いものであったようだ。
もし13を下りで歩くときはオレンジポールに必ず従うよう強くお勧めする。
途中、草や藪をかき分けて進む羽目となった。引き返せばよかったものの、疲れていたのも相まってそのまま強行突破してしまったのだ。
なんとか、車道に出てトビンス・トラックについたときはほっとしたものである。
7, 14a~14b
ここからは、ただトビンストラックを下っていくだけである。
なかなかに疲れていた為、下りでもゆっくりであるが、気持ちは達成感でいっぱいであった。
朝の9時に出発し、着いたのは19時である。休憩を沢山取ったのもあるが、随分と時間がかかってしまった。
日もだいぶ傾いており、本来ならアロータウンで軽く飲むかしたいところであったが財布を忘れていた為、大人しく帰宅する。
クラウン・ピークは正直なところ、迷うこともなく、距離は長いが歩きづらいこともない為、割と誰でも挑戦はできるだろう。
体力があれば軽装で走ってもよし、私のように色々と持ち込んで1日がかりで楽しんでもよし、マウンテンバイクで駆け下りてもよしの、面白いトラックであろう。
何より、ほぼ人に会わないというのがよい。普通であればこのようにデイハイクで景色がよいトラックというのは割と人がいるものであるが、私は人間4人と犬1匹に会ったのみである。
つくづく、アロータウンはデイハイク好きには穴場であると思う。
ニュージーランド・ファルコンとトゥトゥ
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