ブルガリアには美味しい料理が沢山あるが、中でも私のお気に入りの一つが”バニツァ”だ。
パンの一種であり、勿論チーズやヨーグルトといった乳製品がふんだんに使われている。
現地ではストリートフードとして愛されているらしい。
またつくり手によって味のみではなくその形も様々であり、奥深い食べ物だと思う。
具材を巻きずしの要領でフィロシートで包み込み、それを型に並べたタイプはピプ君のやり方だ。
他にもラザニアのようにシートと具材を交互に重ね合わせてもよい。
ここでは一つ、我々がよく作る方法を紹介してみたい。
“バニツァ”作り方
フィロはバニツァを作るようになるまでは全くなじみがなかった。
これは紙のように薄いペイストリー生地で甘くなく、またイーストを含まない為膨らまない。
どこのスーパーでも大概手に入れることができる。
後はオーブンとクッキングシートさえあれば良い。
今回はシンプルな材料のみだが、好みによって中の具材を変えられるのがまた楽しみの一つである。
ほうれん草とフェタ、かぼちゃ、ネギ等色々と試してみたいものだ。
作り方は至って単純である。
まず、チーズを手で細かくもろもろと砕き、あとはフィロ以外のほかの材料と混ぜる。
油、卵、ヨーグルト、重曹、チーズを混ぜ合わせる。
重曹の働きか、ふんわり、ぽってりとしたものができた。
あとはフィロを使って形成していくのみだ。
先程のぽってりとしたやつを広げ、あとは下から巻きずしの要領でくるくると巻いていく。
我々はフィロ2枚を重ね合わせ使用した。
焼き型に合わせて両端を折って長さを調整している。
これを繰り返し、沢山のフィロの筒が出来上がった。
巻いていくそばから焼き型に並べていく。
くっついてしまわぬよう、刷毛で油(分量外)を表面に塗布する。
ぽってりとしたやつが少々余ったので、最後に全体に振りかけてみた。
あとは予熱したオーブンで焼くのみだ。
オーブンから取り出した後は乾燥してしまわぬよう濡れ布巾で覆う。
料理の際にはいつも手ぬぐいが大活躍する。
茶摘み手ぬぐいは友人に頂いたもの。
改めて見ると藍色のドットが非常に可愛らしい。
焼きたて熱々も非常に美味であるが、冷めたものも美味しい。
食べる際は切っても良いし、手で筒を1本ずつ取り出し恵方巻のようにがぶりとかじりついても良い。
このバニツァも勿論非常に美味であり、食べだしたら止まらないがやはり生地から手作りしたものは格別である。
以前一度作ったのだが、中身は同じでも風味が全く違う。
生地をフィロ並みの薄さに仕上げるのがなによりのポイントであるが、それには熟練の技を要する。
ピプ君のおばあちゃんはバニツァ作りの名人だったそうだ。
名人が作ると生地越しに新聞が読めてしまうほどの薄さらしい。
だが技術がなくとも1メートルほどのウソのように長い麺棒を使い、生地を伸ばしていくのはなかなか楽しい。
またいちから作るバニツァに挑戦したいとも思う。
ライフルマンとシルバービーチ
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